先生方からのメッセージ

慢性疲労症候群患者を診応援してくださる先生方からメッセージをいただきました。

心より御礼申し上げます。

倉恒 弘彦先生(関西福祉科学大学教授・東京大学特任教授)

日本医療研究開発機構研究費障害者対策総合研究事業

 

慢性疲労症候群の病因病態の解明と画期的診断・治療法の開発」研究班 代表研究者

 

慢性疲労症候群(chronic fatigue syndrome:CFS)では、長期にわたって倦怠感とともに、労作後の増悪、微熱、頭痛、筋肉痛、関節痛、脱力、思考力低下、物忘れ、睡眠障害、立ちくらみなどの多彩な症状が続くため、日常生活や社会生活に重篤な障害を抱えている患者が多く、約1/4は生活介助が不可欠な状況にあります。

しかし、一般臨床検査では異常がみられないため精神疾患の亜型とみなされることも多く、医師や職場、家族との信頼関係が失われ、2重3重の苦しみの中で生活している方々がおられます。

最近の研究により、CFSでは脳内ミクログリアの活性化で示される脳神経系の炎症が存在し、神経炎症の局在と疼痛、認知機能障害、抑うつ症状などの臨床症状とが密接に関連していることが明らかになってきました。

現在では、世界中で病因・病態の解明とともに治療法の開発に向けた取り組みが進められています。

皆様には、「世界CFS啓発デー」を契機としてCFSへのご理解を深めて頂き、ご支援を賜りますよう、よろしくお願い致します。

三羽 邦久先生(ミワ内科クリニック院長)

~啓発デーによせて~

この病気の啓発にスタッフ一同、応援しています。

当院には全国から患者さんがお見えになります。
労作後の消耗の遷延と立位維持困難は共通して見られます。
スモールハートを伴う心拍出量の低下や低血圧、起立性調節障害といった循環器的異常が多くの方に認められます。
難病ですが、発症早期例では回復のチャンスがあります。
身体疾患としての理解が大切です。
不適切な精神科的治療はチャンスを逃がしてしまいます。
いろいろな治療法が試みられており、希望もあります。
多くの方々の関心と理解が深まり、支援の輪が広がることを期待します。
                    

細田満和子先生(星槎大学 副学長)

慢性疲労症候群は、診断法や治療法に関してまだ解明されていないことがたくさんある中、多くの患者さんが日常生活 を送るのに困難を抱えている状況です。

また、外見から見えにくい病気のため、社会から誤解をされたり、偏見を持たれたりする患者さんも少なくありません。

そこで、多くの方々にこの病気のことを知っていただくことが不可欠なのです。

あなたの隣にいる人が、この病気で苦しんでいるかもしれません。

ぜひ、慢性疲労症候群を正しく知ってください。

そしてご家族やお友達にもそれを伝えてくだ さい。

さらにこの病気の診断法や治療法の開発が進むため声を上げて下さいますよう、お願いします。